浦和の家
埼玉県さいたま市に計画した夫婦+子ども1人のための家です。敷地が未接道のため建替えできず、クライアントは大変お困りでした。問題解決のために専門家チームを組織し、不動産売買・融資・測量・所有権移転に伴う近隣・地権者との交渉・アドバイスなど、土地建物に関する総合的なコンサルタント業務をお手伝いさせていただいております。
私道から見た外観(上)
未接道だった旗竿形状の敷地を整備し建替えが可能になりました。敷地4辺のほぼすべてが隣地境界のため周囲に住宅が迫る環境です。
庭から見た外観(右)
東側の庭には開口部を多く設けています。外壁はラスモルタル下地ジョリパット仕上です。
LDK 全景
リビング・ダイニングとキッチンは一室空間とし東側の庭に連続する大きな開口部を、吹抜にはハイサイド・ライトを設け、日照と明るさを確保しています。左の階段を上るとロフトがあります。
ベンチ収納とカップボード(上、右)
窓際にはダイニング用に造作ベンチを作りました。内部は上蓋式と引出収納になっています。L型キッチンの脇にも造作カップボードを作りました。
L型キッチン
カップボードや棚を造作することにより、インテリアに統一感を持たせています。L型キッチンはシステムキッチンです。
キッチンからダイニング・リビング、書斎コーナーを見る
敷地の東・南面は3階建ての建物が迫っているので、南側はハイサイド・ライトから採光しています。
階段下の収納
リビングスペースの脇からロフト階へ上がる階段下には収納を設けています。階段1段目の開いている部分にはロボット掃除機を設置します。
ロフト
クライアントのアイディアでロフトには畳を敷いて文机を作り付けました。ロフトの吹抜からリビング、書斎コーナーが見下ろせます。
書斎コーナー
L型のデスクから、アプローチが見下ろせます。
ワーキングエリアと家族の図書室
LDKの片隅や廊下にデスクと本棚を作り、庭や外の景色を眺めながら作業できるコーナーを設けました。
浦和の家
プロジェクトの経緯と進め方
埼玉県さいたま市に計画中の夫婦+子ども1人のための家です。
敷地が接道していなかったため建替えできず、クライアントは大変お困りでした。少し専門的に言うと、再建築不可の未接道敷地で接道義務を果たしていない状態でした。近隣敷地を含め詳しく調査しところ、空家になっていた隣地を購入し、やはりクライアントと同じように接道していない隣地の地権者の協力が得られれば接道が可能であることがわかりました。そこで不動産鑑定士・宅地建物取引士・土地家屋調査士・司法書士と一級建築士事務所である弊社からなる専門家チームを組織し、不動産売買・融資・測量・所有権移転に伴う近隣・地権者との交渉・アドバイスなど、土地建物に関する総合的なコンサルタント業務をお手伝いさせていただいております。
2017年に計画はスタートし、近隣敷地調査、近隣・地権者との交渉、土地取得・境界線引き・建替の資金調達の検討をしました。
2018年に近隣・地権者との話し合いがまとまり接道できることになりました。また建替えの建築計画を進めました。
2019年5月、古家と隣地家屋の解体工事、地盤調査が完了し、接道処理後に残った敷地の売却と着工の準備をしました。
2019年6月、接道処理後に残った敷地の売買契約を結び、無事着工、8月に上棟しました。竣工は2020年1月です。
建物全体の様子
旗竿敷地のため、建物の配置はどうしても敷地奥になります。周囲は他の建物が迫り、日当たりは良くありません。そこで周囲の建物も含めて 3D-CAD でモデリングし、日照シミュレーションを行いました。その結果、敷地東側を庭とすると建物全体の日当たりを確保しやすいことがわかりました。クライアントの要望を整理し、プランニングを何案も検討し、最終的に 1階主寝室を庭に隣接させ、リビング・ダイニングと子ども室を 2階にすることによって、過ごす時間の長い居室の日照、明かるさを確保できることがわかりました。
ダイニングからリビングを見る
ご要望からリビング・ダイニングとキッチンは一室空間とし東側の庭に面するようにし、日照と明るさを確保しています。
LDK の天井高さ
LDKは一室空間ですが、エリアによってアクティビティが異なります。リビングエリアは天井を高く、ダイニング・キッチンエリアとワーキングエリアは、天井を下げています。
ワーキングエリア
奥様がミシンや工作をされるためコーナーです。敷地旗竿の通路部分が見下ろせる位置にあります。
家族の図書館
ご主人が家でお仕事をされることが多いため、東側の庭に面し主寝室へ続く場所にデスク・カウンターと本棚を設けました。「家族の図書館」という室名にし、家族みんなで使うことになっています。