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春日部の家のリノベーション

埼玉県春日部市に計画した、夫婦+子ども2人+猫1匹のための中古住宅のリノベーションです。予算約2000万円で持ち家を確保する方法は無いですか?とメールでご相談を頂いたことからこのプロジェクトは始まりました。

土地購入+新築は、都心通勤圏内に安い土地を探しましたがが見つからず、土地付きの中古戸建住宅を購入してリノベーションすることになりました。物件探しと予算計画、融資手続きを創造系不動産にお願いしました。

都心通勤圏内で駅徒歩圏内にある一軒家でリノベーション費用もあまり掛からない物件は、なかなか見つかりませんでしたが、8か月ほどの期間に地道に内見を繰り返し、8件目にようやく良い物件に巡り合いました。決め手は、①耐力壁の釣合いのよい配置が定められた2000年以降に建てられ、②確認申請図書一式、確認済証と検査済証が揃っており、③すぐには屋根と外壁の改修の必要が無いことでした。

玄関と収納(左)、ホールと手洗い(右)

玄関収納は、収納量と収納の「見せ方」を重視し、棚の奥にアクセントクロスを張りました。丁度コロナウィルスの流行時期であり、洗面台が 2ヶ所欲しいとのご要望もあったため、玄関ホールに手洗いを設けました。

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LDK 全体

改装前は DK と和室に分かれていた部屋をひとつの LDK にまとめました。フローリングは杉、既存サッシの室内側に断熱補強用の内窓を追加しています。

リノベーションの基本方針は、①使えるものは使う、②部分解体でプランをまとめる③天井と床は断熱を補強する、ことにして工事費を絞るようにしましたが、ご予算的には厳しそうなクライアントのご要望も、様々なアイデアで実現しています。それは、①杉無垢フローリング(オイル塗装は DIY)、②オーダーキッチン、③リビングのステージデスク(下は大きな収納)、④夫の書斎、⑤玄関ホールに手洗いを設置(洗面を2ヶ所に分散)することです。リビングと主寝室には猫窓も設置しています。

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DK のリノベーション前後

リノベーション前後のダイニングキッチンの様子です。同じ場所・同じアングルで撮影しています。キッチンカウンターは場所を移動し、キッチン廻りの床は水に濡れても気にならないように耐久性のあるビニル床シートを張りました。

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特注キッチンカウンター

限られた予算の中で、キッチンを特注しました。シンク下に食洗器を設置できるメーカー製キッチンは存在しないのですが、特注することによって実現しています。クライアントの要望で業務用キッチンの意匠を踏襲しています。製作は、業務用キッチンのノウハウがあるウチダステンレス工業に製作を依頼しました。壁のステンレス収納は、クライアントが購入した「インディアン・ラック L」という製品です。機能的で、この場の雰囲気に合っていると思っています。キッチン廻りの壁仕上は、カラーケイカル板を張りました。

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リビングから DK を見たときのリノベーション前後

リノベーション前後のリビングから DK を見たときの様子です。同じ場所・同じアングルで撮影しています。柱と筋交いは元々は壁でしたが、構造体を見せて、リビングと DK がひとつの空間に感じられるようにしました。又、元の天井高さより高くしたところ梁も露出することが分かりましたが、ここでは天井高さを取ることを優先しました。

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2階 子ども室、2階 書斎

2階は既存洋室2部屋の間仕切りを解体し、子ども室と夫の書斎に仕切りました。子ども室は、更に将来ふたつの部屋に分けるときの施工方法を検討しました。子ども室はクロスの張替えのみ、書斎は1階 LDK と同じように杉フローリング張り+クロス張り替えとしました。

DIY の様子

杉フローリングのオイル塗装と本棚、収納棚の製作をクライアントによる DIY としました。オイル塗装は、プラネットジャパンのハードクリアオイルを塗りました。棚板のカットはホームセンターで行い、木工ボンドと木ねじで組立ました。

右下の下の写真は塗料が完了した様子です。大きなテーブルは、「ステージ」と呼んでいて下部を収納、上部をステージ & 勉強机 として使い、このプロジェクトの特徴にもなっています。

埼玉県川口市の一級建築士事務所 兵藤善紀建築設計事務所