コンセプト
建築計画全体について
建築の計画とは、諸条件をまとめるだけでなく、まして空間や形態を美しくデザインするだけではないと思います。建築の問題だけでなく社会の問題も引き受けたプログラムを構想することではないでしょうか?そのためには建築が社会に対して開かれている必要があります。建築が社会に開くとは、窓を増やして物理的、視覚的に開くということではなく、そのたたずまいが社会的に認められることだと考えています。
特に住宅の設計について
住宅を設計することは、そこ住む人の幸せを設計することです。機能的で美しく、強い構造体であることはもちろん、安全性、環境への配慮はあたりまえのことです。その上で子どもや老人も気持ちよく過ごすことができる住まいとはどういうものか?静かで落ち着けて心が解放される空間、いつの時代も新しい発見があり奥行きの感じられる空間とはどういうものか?を常に考えて設計しています。
現実問題に対する取り組みについて
これまでに「こんな条件では無理なのではないだろうか?」と思ったことは数知れません。しかし、クライアントさんとよくよく話し合い、現実に向き合い、問題についてよく調べ、いろいろな人の意見を聞いたりしているうちに、なぜか解決に向かっていくものです。そうしながら本当に大事なことは何だろうか?と考え、さまざまなアイデアを積み重ねていると、欠点と思われいた条件がむしろ利点になってしまうこともあります。
これまで設計してきたさまざまな条件の建物のことを振り返ると、悪い近隣環境、狭い土地、少ない予算などのさまざまなマイナス要素を受け入れることが、新しい住まい方や空間を発見するきっかけとなり、よい家を建てるためのコツなのだ、と考えるようになりました。