『松田美緒』 タグの記事

2005年8月29日

SAIKOだよ!松田美緒

0829_1323_02.jpg

先日の夜、皇居脇二重橋付近を運転中、J-Waveから不思議な歌が流れてきた。2本のギターとボーカルというシンプルな構成のブラジル系の曲。なかなか好きな感じの曲と声質なので耳を傾けていると、歌詞が変なことに気が付いた。ポルトガル語のようなのだが、サビの部分が

♪最高、最高、最高最高だよ!

と聞こえるのである。「きっとポルトガル語に『サイコー』という日本語と同音の言葉があるのだろう」と思って聴いていると、今度は、

♪最低、?%&#~、*@>+¥以下ポルトガル語(と思われる言語)

と聞こえるのである。「なるほど、ポルトガル語という言語には『サイテー』という音節を持つシニフィアン(記号表現)のシニフィエ(記号内容)があるのだ」と勝手な思い込みをしながら「記号論って何だっけ?」と昔勉強した記憶を辿ったりしていた。そうしたら2コーラス目に明瞭な日本語の歌が流れてきたので、私はものすごくびっくりした。

♪最低なことは全部忘れて、今日は一緒に、人生は最高だよ

そんなわけで、久しぶりに印象に残る歌に巡り会えたので、放送された時間を憶えておいて、翌日J-Waveのホームページのオンエアリストから調べてみると、ポルトガル語圏の国々の音楽を中心に活動している松田美緒という歌手の”SAIKO”という曲であることがわかった。

“SAIKO”は今までに無かった新しい試みをしている。それはサビの歌詞だけが日本語であることである。J-Popではサビが英語で”Love”だの”Ecstasy”だの”baby”だのという単語が飛び出すことは非常に多い。J-Popでなぜこのようなことが行われるのかというと、歌詞の内容を正確に伝えるための「実用的機能」よりも音によるシニフィアンの「美的機能」を期待しているからである。それを松田美緒はポルトガル語の視点から日本語の「最低」「最高」という音節をもつシニフィアンの「美的機能」を発見し、ポルトガル語の歌詞の中に組み込んだ。大胆で画期的な手法だと思う。

早速、先週渋谷のHMVで松田美緒のアルバム「アトランティカ」を買った。3階のワールドミュージック売場に視聴コーナーもあった。久々にライブも聴いてみたい歌手である(調べてみたら少し前に六本木であったらしいザンネン)。今後の活動にも期待!とりあえず”SAIKO”はiTuneのマイレート最高の★★★★★。

参照記事
松田美緒公式ページ >> http://www.miomatsuda.com/
eo音楽 >>松田美緒インタビュー
PAPA-Qの「古今東西音楽雑話」>>彼女のドレスは大西洋の色彩

今日の写真 ~カラフル その3~
開新堂のランチのデザート。カラフルなゼリーをふたつ選べる。美味しいのでまた行きたいなぁ!

タグ:

カテゴリー:音楽 |  コメント (8) |  投稿者:hyodo

『松田美緒』 タグの記事