2005年3月24日
シフォンケーキ・ラヴ・アフェア編
私は浮気性かもしれない。長続きしない。すぐに飽きる。しかも新しもの好きだ。読者が期待するようなコトではない。シフォンに入れるフレーバーに関してである。これまでレモン、柚子、ショコラと華麗なる甘い遍歴を重ね、最近は「文旦」にとって変わった。
そもそも私は浮気をしたことがない(本当である)。これからもしないであろう(と自分に釘を刺しておく)。でも心変わりはあるかもしれない(と逃げ道を作っておく)。といっても今、浮気が成立するような環境に無い・・・・・・今年は是非そのような「環境」のアセスメント・プラン・メンテナンスをしたいものだ。誤解無きよう申し上げるが、「浮気がしたい」という意味ではない。「パートナーがいるといいな」と言っているのである。全然関係ないが、スギ花粉の飛散量を測定しているのは気象庁ではなく環境省らしい。
さて、私の新たなる仮の恋人「文旦さん」は夏みかんとグレープフルーツを足して2で割ったような感じの柑橘系果物である。色はグレープフルーツ色。形はヘタの部分が少し尖がっている。果肉は夏みかんより八朔(はっさく)に近い。酸味が強いので酸っぱいときもある。高知産が多く、全国の生産量の約80%を占めるらしい。私の家では4年前から毎シーズン1箱送ってもらっている。農薬の使用が十分配慮されているので、皮をスライスしてママレードが作れるのだが、大変そうなので昨年まで作ったことがなかった。今年はなぜか作る気分になり、しかも大量に夜な夜な煮てお世話になっている人に配り歩いている。3kgほどあった砂糖はすぐに底を付き、先日2kg買い足したほどだ。
その文旦ママレードを使ってシフォンを焼いてみた。ママレードシフォンは赤堀レシピ(しっとりシフォンケーキ、赤堀博美 著、別冊家庭画報、無聊ブックス参照)によると砂糖、サラダ油、水の分量がプレーンシフォンとだいぶ異なる。かなりの量のママレードを入れるので、砂糖は少なめ、サラダ油は多めで水は少なめである。文旦ママレードシフォンを初めて作ったとき、いつもはメレンゲを泡立てる段階でオーブンを予熱しはじめるのだが、先程の「環境」だの「アセスメント」のことを考えていたので、すっかり忘れてしまった。メレンゲが完成してから予熱したので、メレンゲは崩壊し始めたが、焼き上がりはまあまあだった。
翌日、ふらっと大学の友人が本を取りに我が家に立ち寄ってくれた。文旦シフォンとミルクティーをご馳走した。「あー、これが例のシフォンね?旨い!しっとりしていて。何が入ってんの?」あまり食べ物の感想を言う友人ではないので、私はその言葉に満足した。
ところでシフォンコラムの連載第1回目から赤堀レシピでシフォンを焼いている。全く他のレシピにブレていない。一途である。結構長続きしている。飽きずにやっている。ということは私は浮気性ではないのだ。証明終わり!
BGM “Everlasting Love” THE LOVE AFFAIR