2010年4月17日
「Vectorworksを使いやすくする」をスタートアップしました
当ブログ管理者hyodoが代表を務める兵藤善紀建築設計事務所は、本日より汎用CADソフト “Vectorworks” を使いやすくする便利なプラグインや、Tipsを紹介するウェブサイト「Vectorworksを使いやすくする」をスタートアップしました。
第一弾として、「斜め作図支援」プラグインのベータバージョンを配布致します。
本プラグインは、6つのプラグインをまとめたもので、斜め線の描画や斜め方向の移動、頂点移動(グループ図形も解除せずに頂点移動可能)が簡単に行うことができます。また入力した数値の過去6回分のヒストリーを保存し再利用が可能です。AutoCAD の UCS コマンド(軸回転)や、JWW の「角度取得」コマンドと「軸角」を使うようなイメージです。機能の詳細は、「斜め作図支援」をご覧ください。また、Q&Aページができるまで、このエントリーを質問受け付けページとしたいと思います。よろしくお願いします。
Vectorworksは、大変使いやすいCADです。しかし、平面の通り芯が傾いていたり、外壁が道路斜線に沿っていたりすると、とたんに作図に手間が掛かります。勾配屋根の棟や軒先の詳細図なども斜めの線を描くことが多く、これまた面倒なものです。Vectorworks 2008より上位バージョンでは2D平面回転機能が実装されていますが、Vectorworks 2010にも基本バージョンでは2D平面回転機能が無いために、未だに多くの設計者が斜めの作図に苦労を強いられていることと思います。
斜めの線を描く必要のある図面は、建築全体の納まりを検討する上で、最重要な部分であることが多く、作図を避けることができないばかりか、設計の初期段階で複数の案を検討する必要があったりします。更に、通り芯の振れ方がビミョーな場合、手描きのスケッチでは、「本当に納まっているのか?」(と思うときは大抵納まっていないが、スケッチはなぜか納まっている)判断が難しいときがあり、正確な図面での検討が必須です。
そんなとき、斜め線の作図に弱いVectorworksは無駄に辛いのです。
僕は長年、この問題をどうにかしたいな!と強く思ってきました。修行時代もそうでしたが、独立してからは、更にこの問題を避けて通ることが難しくなり、 VectorScriptのコーディングに着手し、「斜め作図支援」プラグインを開発するに至りました。
このプラグインを使って、斜め線の多い図面を早く作図できた分、多くの検討とアイデアを積み重ねて、社会性のある多くの人に愛される建築(それだけが建築ではないが・・・まぁ一般的に)を設計していただければと思います。
本プラグインはベータバージョンです。今年の6月30日まで機能制限無しでご利用いただけます。それまでに正式版(シェアウェア 2000円程度)をリリースします。もし、リリースできなかった場合は、使用期間を延長したベータバージョンを再配布します。