2005年4月20日
シフォンケーキ・ダバダバ編
最近シフォンのフレーバーには事欠かない。
たくさんあったはずの文旦はいつしか残り僅かとなり、私は将来のシフォン・ライフに不安を覚え始めていた。しかしそれは杞憂であった。なんと新たなフレーバーは向こうからやってきたのである。
それもたくさん!
しかもタダ!!
もぎたてピッチピチ!!!
以前母に頼まれて、母の友人の家に訪問するための文旦シフォン(正式名称:文旦マーマレード・シフォンケーキ)を焼いたことがあった。その方からお礼に夏みかんを頂いたのである。庭に生えている木からもいだ夏みかんなので完全に無農薬、そして新鮮だ。早速身を食してから皮をスライスしてママレードを作ることにした。
マレードを煮ているあいだ、映画を1本観ることにした。
最近録画したBS2の映画のリストを見ると次のようなタイトルが並んだ
甘い生活> フェリーニの皮肉についていけなさそー!
男と女の詩> クロード・ルルーシュか・・・・・・「男と女」とは違う映画なのかな?
薔薇の名前> エーコか・・・・・・ショーン・コネリーはいい演技をしているな・・・・・・もう一度観てもいいかも。
地獄の黙示録> 3時間はちょっとキツイなー。ママレードが煮詰まりすぎちゃうよ!
結局一番時間の短い「男と女の詩」を観ることにする。
ダー♪、バー♪、ダー♪、ダバダバダ♪、ダバダバダ♪・・・・・・
おっ、アヌーク・エーメとトラティニャンが映っている。これは「男と女」なのか?
アヌーク: 「お肉だけじゃ不満だったみたいね」
トラティ: 「何かたのもうか、ギャルソン!!・・・・・・部屋をたのむ・・・」
なんだこりゃ。と思ってたら、その後画面はカラーになり、刑務所内のレクレーションで「男と女」が上映されているのを服役者が観ていたことがわかるのだが、自分の映画の中に、過去の自分の作品を劇中劇に使うかね~。しかも抜き出した場面選択がちょっと・・・まあとにかくこの映画で私の恋愛観が変わるようなことはなかったが・・・。
映画で時間を無駄にしたなぁと思いながら、ちょうど良く煮詰まってきた夏みかんママレードにレモンの絞り汁を入れて味を調え、再度煮立ったところで火を止めた。そしてこれを使ってシフォンを焼いた。レシピは文旦シフォンと変わらないが、風味は異なる。レモンほど強すぎないがはっきりした酸味とみずみずしさ、それと微かな苦みのハーモニーと言ったらよいだろうか。
以前のシフォンコラムで、「『これはレモンの香りですか?』から始まる(なだいなだ氏)の著作」と書いたが、私の不十分な調査で間違い&勘違いでした。この場をもってお詫び申し上げます。真実は「白いぼうし」(あまんきみこ著)でした。冒頭の「これはレモンの香りですか?」のあとに続く言葉は「いいえ、夏みかんです」なのである。夏みかんシフォンは絵本好きのあのひとに捧げよう。今日、馬込の庭先になっている金柑(キンカン)見ながらそう思った。