2009年3月1日
スターリン・スタイル高層ビル
2004年夏、ロシア建築案内(TOTO出版)片手にモスクワ、サンクト・ペテルブルグへ行ってきました。その時の写真は帰国後スライドショーを一度やったきりで、まとめていなかったので、いまあらためてまとめていきたいと思っています。まずは衝撃を受けた建築からご紹介します。
ロシア連邦外務省。ロシア建築案内によると「・・・建物頂上の尖塔は当初の設計にはなかったが、建築現場の視察に来たスターリンが『ふむ、それで尖塔はどこにあるのかね?』と質問した直後から記録的な速さで尖塔が図面に書き加えれれた、という有名なエピソードが残っている。」とあります。外務省脇のアルバート通りをちょっと歩いて裏に入ったところに、メーリニコフ邸があります。
ウクライナホテル外観。外務省はたぶん入れないと思いますが(そういえば入ろうとさえしませんでした。警備が近寄るなオーラを発していたからだと思います)、こちらは中に入れます。
ホテルなので中に入れました。写真ではそれなりに豪華に見えますが、リフォームしているのか、内装にお金が掛けられなかったのか、チープな印象でした。しかしスターリン・アンピール様式は、インテリアは重要ではなくファサードが重要で、非常にモニュメンタルな建築なので、外から鑑賞するのがやっぱりいいですね。
クードゥリンスカヤ広場の高層アパート。コニュシュコーフスカヤ通りから見たところ。まるで「お城」です。
モスクワを歩いてみると感じるのは、道路、街の区画、建物すべてがヨーロッパのスケールの2倍くらいあるので、カフカの「城」のように近そうに見えてもなかなか辿り着きません。で、実際近くまで行ってこのクードゥリンスカヤ広場の高層アパートを見上げてみると、今度は近すぎて尖塔は見えないんですよ。スターリン・スタイル高層ビルを美しく撮影したい人は、事前に撮影ポイントの当りをつけた方がいいと思います。望遠レンズもあったほうがいいですよ。もちろん超広角も必須です。
ボリショイ・モスクヴァレーツキ橋から見たコテーリニチェスカヤ河岸通りの高層アパート。遠方からの撮影(これは友人の撮影)なのでちょっと霞んでいます。地図で見ると800mは離れているのですが、35mmレンズで撮影してこの大きさです。近くまでは行かなかったのですが、このアパートの1階には「イリュージョン」という映画館があるそうです。幻想というか虚構性を感じるのは旅行者である私たちだけではないようです。左端で切れているのは今は亡きヨーロッパ最大だったホテル・ロシアです。
モスクワ大学、と言われなければ、大学とは思えないような建物です。
ちょっと近づくと、もう画面に収まりません。
24mmで撮影しているんだけど・・・全然画面に入り切らないし・・・キャンパスを歩くのに疲れました。
すばらしい専門サイトを発見しました。ご興味のある方は必見です。
>ロシア・スターリン様式建築の部屋