2008年6月2日
8人の女たち
映画「8人の女たち」は、ただ楽しむためだけに、昔BS2で放映したときに録画したのだが、なんとなく2回観てしまい、「なかなか深い映画だな」と感じ、母も2回目(以前観たことを忘れていたらしい)を観ているときに、僕がちょうど居合わせて、3回目も観たものだから、もう想い返さないように、ここに記録しておく。
観ようと思った直接のきっかけは・・・・すっかり豊満になったカトリーヌ・ドヌーブを興味本位で見たかったわけではなく、トリュフォーの最後の恋人ファニー・アルダンが出演しているからでもなく、メイド姿のエマニェル・べアールが脱ぎそうな気配を感じたからでもない・・・・とは言い切れない。そんなところがこの映画のいいところである。
ストーリーは、大雪により邸宅に閉じ込められた8人の女たちのイライラから生じた諍いにより進行する。すなわち、女たちが互いに中傷、誹謗、暴露、告白、密告、偵察をし合い、ゴシップとスキャンダルにまみれるのである。女たちはそれぞれ秘密を持っているのだが、ディープな上に、2段構えであり、どちらかというと知りたくもないようなおぞましいものである。たとえば、浮気している上に、お相手は××とか、旦那のお相手をしているんだけど、本当は奥様を恋慕しているとか、妊娠しちゃったんだけど、そのお相手は××などなど。実際、この過剰なインフォメーションが悲劇(喜劇?)へと向かっていく。
実はこの作品は、ミュージカル映画であり、出演者は全員女で、明るく華やかで軽やかである。汚れた女たちの歌う歌詞の内容は、彼女たちを浄化させる。
「幸せは 強く抱きしめすぎると 壊れてしまう」(だったと思う)
ダニエル・ダリューがラストに歌う詩は、箴言にまで高められている。内容とは似ても似つかわない表層、これがこの映画の魅力であり、女の魅力なのかもしれない。
今日の写真
昨日、久々に街歩きをしました。赤羽周辺の団地の給水塔と思われるもので、古いものなのですが、良くデザインされています。似たようなものは他にもありましたが、これは展望台付です。