2013年12月の記事

2013年12月24日

Raspberry Pi で格安ミュージックサーバを作る~その2~

Raspberry Pi と Topping/TP23
前回は、Raspberry Pi を使った格安ミュージックサーバのハード構成を紹介した。今回は、Raspberry Pi をミュージックサーバとして使うために私が行った設定を紹介する。ネット検索で参考にさせていただいた HP は大変貴重な情報がある。また参考書として、「Raspberry Pi ユーザーガイド」が役に立った。

raspi-config の設定

私の場合は、raspbian をしばらくグラフィカル・デスクトップ環境で遊んだあと、ターミナルより sudo raspi-config で下記の設定を行った。

  1. Change User Password > pi ユーザのパスワード変更
  2. Enable Boot to Desktop/Scratch > ブート時の起動方法を “Text console” に変更
  3. Internationalisation Options / Change Keyboad Layout > 自動的に設定してくれる
  4. Advanced Options / Hostname > ホストネームを “MusicServer” に変更
  5. Advanced Options / Memory Split > GPU のメモリ割り当てを “16” に変更(”0″でもいいのかもしれないが、”16″とした。)
  6. Advanced Options / SSH > Enable に変更

公開鍵で SSH 認証できるようにする

下記リンクの解説及び設定方法が非常に分かりやすい。SSH クライアントは、PuTTY を使用している。
参考HP > Qaplaの覚書・メモ・備忘録・独言 Raspberry Pi のSSHでファイル認証

LAN の固定IP の設定

sudo nano /etc/network/interfaces で編集

auto lo

iface eth0 inet dhcp static
     address 192.168.1.xx
     netmask 255.255.255.0
     gateway 192.168.1.x

allow-hotplug wlan0
iface wlan0 inet manual
wpa-roam /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.conf
iface default inet dhcp

無線LANの設定

sudo nano /etc/network/interfaces で編集

auto lo

iface eth0 inet static
     address 192.168.1.xx
     netmask 255.255.255.0
     gateway 192.168.1.x

#コメントアウト     allow-hotplug wlan0
#コメントアウト     iface wlan0 inet manual
#コメントアウト     wpa-roam /etc/wpa_supplicant/wpa_supplicant.conf
#コメントアウト     iface default inet dhcp

#以下、無線LANアダプタの設定
auto wlan0
iface wlan0 inet static
     address 192.168.1.xx
     netmask 255.255.255.0
     gateway 192.168.1.x
wpa-conf /etc/wpa.conf

sudo nano /etc/wpa.conf で新規ファイルを作成し、下記を記入する

network={
     ssid="<無線LAN機器のSSID>"
     key_mgmt=WPA-PSK
     psk="<WPAキー>"

MPDのインストール

MPD 公式ページ
参考HP > Raspberry PiをMPD(Music Player Daemon)サーバにする
下記コマンドをターミナルから打ち Music Player Daemon のインストール及び設定を行う。

  1. sudo apt-get install mpd mpc↵
    > MPD と MPC のインストール。MPC は MPD の CLI クライアントである
  2. sudo service mpd start↵
    > MPD を起動する
  3. sudo nano /etc/mpd.conf↵
    > 設定ファイルの変更
    auto_update   "yes"    # 自動的にプレイリストを更新する(コメントをはずす)
    #bind_to_address   "localhost"    # エラーが出る場合(コメントをつける)
    mixer_type   "software"    # 有効にするとクライアントから音量調整可能になる(コメントをはずす)
    
  4. sudo /etc/init.d/mpd restart↵
    > mpd の再起動

次に USB-DAC へ出力するための設定を行う。USB-DAC の種類は自動的に認識してくれた。
参考HP > SAKURAの独り言:ubuntu studio 12.04でMPD (備忘録)

  1. cat /proc/asound/cards↵
    > USB-DAC のインデックスを調べる
  2. sudo nano /etc/modprobe.d/alsa-base.conf↵
    > USB-DAC をデフォルトのサウンドデバイスに設定するために下記を記述する
    options snd-usb-audio index=0
    options snd-bcm2835-audio index=1
    options snd-usb-audio nrpacks=1
    
  3. sudo reboot↵
    > Raspberry Pi を再起動する

Samba サーバをマウントする

私は、音楽ファイルを Samba サーバ上に保存している。下記コマンドをターミナルから打ち、Raspberry Pi から Samba サーバをマウントする。一般的な NAS もたぶん同様の設定方法だと思われる。

  1. sudo apt-get install cifs-utils↵
    > cifsマウントユーティリティをインストール
  2. cd /mnt↵
    > mnt ディレクトリへ移動
  3. sudo mkdir share_music↵
    > 音楽データ用ディレクトリ “share_music” を作成
  4. sudo chmod 777 share_music↵
    > パーミッション変更
  5. sudo mount -t cifs -o user=UserName%PassWord //192.168.1.xx/share/music /mnt/share_music↵
    > samba サーバー上の共有音楽データ・ディレクトリをマウントする
  6. ls /mnt/share_music↵
    > 共有音楽データ・ディレクトリがマウントされたか?を確認する
  7. sudo ln -s /mnt/share_music /var/lib/mpd/music/↵
    > mpd の music データフォルダにシンボリックリンクを作成
  8. umount //192.168.1.xx/share/music
    > 共有音楽データ・ディレクトリのアンマウントする

次に、共有音楽データ・ディレクトリを起動時に自動的にマウントする設定を行う。

  1. sudo nano /etc/fstab↵
    > fstab に追記することにより、起動時に自動的にマウントするようにできるらしい。
    //192.168.1.xx/share/music /mnt/share_music cifs username=UserName,password=PassWord
    
  2. しかし、再起動しても自動的にマウントされなかった。sudo mount -a を実行すれば、マウントされる。しかたないので、sudo nano /etc/rc.local を実行し、exit 0 の直前に mount -a を追記した。rc.local は起動時に最後に読み込まれるファイルとのこと。

目覚ましとして使う

Raspberry Pi も USB-DAC 内臓のプリメインアンプ Topping/TP23 も電源スイッチが無いので、電源は 24時間入れっぱなしである。待機電力も電気代を気にするほど大きくないようだ。そこで目覚ましとしても使うことにした。

sudo crontab -e で cron を編集する。下記のように mpc コマンドを追記した。

# Everyday
10 5 * * * /usr/bin/mpc volume 100
15 5 * * * /usr/bin/mpc clear
20 5 * * 1-5,7 /usr/bin/mpc load NHK-R1
20 5 * * 6 /usr/bin/mpc load NHK-FM
#
#
# For Weekday
30 5 * * 1-5 /usr/bin/mpc play
#
#
# For Saturday Weekend Sunshine
20 7 * * 6 /usr/bin/mpc play
#
#
# For Sunday Ongakuno Izumi
55 7 * * 7 /usr/bin/mpc play

mpc コマンドの使い方は、mpc help で表示される。一応下記リストに解説する。cron のスケジュールについては、「cron スクリプト 書き方」などで検索すると親切なサイトが多くある。

  • mpc volume 100↵
    > 私の場合は、mpd.conf でソフトウェア・ボリュームに設定しているので、ボリュームを絞っている場合は、100% に戻す
  • mpc clear↵
    > Playlist をすべてクリアする
  • mpc load NHK-R1↵
    > ユーザが作成した Playlist “NHK-R1” を読み込む。私の場合は、NHK-R1.m3u というファイルに NHKラジオ第一放送のストリーミング・アドレスを入れている。具体的な中身は、下記参照。リッピングした音楽データで作成した Playlist でも良い。
    mms://a33.l12993146032.c129931.g.lm.akamaistream.net/D/33/129931/v0001/reflector:46032
  • mpc play↵
    > 現在のプレイリストを再生する

以上、思ったよりも快適に使えている。仕事場のリスニング環境は、デスクトップ Win7 + foobar2000 + TEAC/A-H01 + 自作スピーカー(長岡鉄男/BS-84、Fostex/FF105WK)であることは以前の記事「foobar2000 で NHK ネットラジオを聴く」で書いたとおりだが、こちらの更に安価なシステムの方が音質も良い。

関連記事 > 「Raspberry Pi で格安ミュージックサーバを作る~その1~

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2013年12月17日

Raspberry Pi で格安ミュージックサーバを作る~その1~

格安ミュージックサーバ
Raspberry Pi という ARM 系小型コンピュータの存在を先月に知った。一年半ほど前は結構話題になっていたらしい。とにかく安いので何をするかあまり考えず買ってみた。OS は、複数の Linux ディストリビューションを切り替えてブートできる NOOBS をインストールし GUI 環境で遊んでいたが、結局 Raspbian しか使ってない上に HDMI 入力端子のあるモニタが事務所に 1台しか無いこともあり、GUI で使うのはやめて SSH を設定して、PuTTY で Win7 から、もしくは ConnectBot で Android から接続して弄くるようになった。そうこうしているうちに Samba サーバを立てて事務所のデータバックアップを自宅でも行い、地理的冗長性を担保しようか?防犯カメラにしようか?など具体的に役に立つ利用方法を考え始め、最終的にミュージックサーバを作ることにした。理由は、事務所の音楽再生環境(Win7 + foobar2000 + TEAC/A-H01 + 自作スピーカー(長岡鉄男/BS-84、Fostex/FF105WK))が先月整い、費用の割りに音質が良く、操作性も快適なので、自宅でも同じような環境を作ってみたくなったのだ。事務所の再生環境については、「foobar2000 で NHK ネットラジオを聴く」を参照されたし。

自宅は 2DK アパートに妻と子どもの 3人暮らしなので、また Raspberry Pi のスケールに合うように、事務所の機器よりも小型にすることにした。またできるだけ安く、良い音を得られることを目標にした結果、上記の写真のようになった。下記に機器をリストアップする。

機器リスト

ミュージックサーバ

本体:
Raspberry Pi Type B
> 4,379円
SDカード:
Amazon限定 Transcend SDHCカード 8GB Class10
> 952円(最近は、4GB の方が高かったりする)
ケース:
Raspberry Pi Clear Case
> 1,660円
USB電源:
Docomo/AC アダプタ 04
> 0円
※ これまで使い道の無かった Docomo ポイントを使って無料でGET!
USB無線 LAN アダプタ:
PLANEX/GW-USMicroN2W
※ 事務所で余っていたもの
OS:
Raspbian (2013-09-25 版)
> Free!
Apr:
Music Player Daemon (MPD) 0.18.5
> Free!(スミマセン、Raspbian にインストールされるのは、ver.0.16.0 でした)

プリメインアンプ

USB-DAC 内臓
プリメインアンプ
TOPPING/TP23
> 7,350円
アンプ部:25W@4Ω,約14W@8Ω
DAC 部:16Bit/48kHz

スピーカー(自作)

ユニット:
Fostex/FF85WK ×2本
> 6,550円
コイズミ無線のセールで購入
エンクロージャ:
バスレフ方式、3.5L
※ 取説付属の推奨エンクロージャの寸法を既製板材の規格に調整し、スリットダクトにしたもの。吸音材は家に大量にあったコットンパフをエンクロージャ内部 3面に貼った。
この方のホームページのエンクロージャが美しく製作されていたので、真似してみました。
エンクロージャ材料:
ラワンベニヤ 12t + エゾ松 180w×14t×1800L + カット代 + AEPカラースプレー
> 3,870円
スピーカーケーブル:
九州電気/OFC 0.12mm 素線多重ツイスト構造、0.75SQ 5m 購入
> 945円
※ターミナルを設けずユニットに直結
費用合計
25,706円

Topping/TP23
Topping/TP23 という製品は「USB-DAC 内臓 プリメインアンプ」と検索して探し出した。私が知りうる限り最安の製品である。TEAC/A-H01 を購入した頃は、その存在を知らなかった。スペックは TEAC/A-H01 より DAC、アンプの出力共に低いが、価格は 1/3 である。

電源スイッチは付いてない。コンピュータの電源とリンクして自動的にON/OFFする。寸法も小さく Raspberry Pi を上に乗せるとちょうど良い。Topping というメーカーは中国のメーカーらしいが、自社ホームページはなぜか見つからない。

音はフルレンジ一発のスピーカーとの組合せということもあり、ミニコンポや、Bose のアンプ内臓スピーカーのように変な味付けされた加工は行われていない感じで、ピュアオーディオと言える。クリアな音質で定位が良く分解能も結構高い。ソナタなどの曲では、プレイヤーの動作や息遣いまで小音量でも感じる。低域が物足りないのはやむを得ないが、8cm ユニットで 3.5L のエンクロージャにしては結構出ている。

MPD の操作は、Android から MPDroid で行っている。Win7 からは、GMPC 又は SkyMPC を使用しているが、foobar2000 の使い勝手のようにはいかない。foobar2000 が MPD クライアントとして使えると最高なのだが・・・・。

約25,000円でこれだけの品質と操作性が手に入るのは嬉しい。
じっくりと音楽を聴く機会が増えた。

段ボールのエンクロージャ
上の写真は、エンクロージャが完成するまでの間、とりあえず鳴らすために作った段ボール・エンクロージャ。かなり残念な音だったw。バスレフ・ダクトも付けたり、内部を補強したり石やタイルを詰め込んだりしたのだけど、箱鳴りがひどく、密閉にしてもあまり変わらなかった。そもそも密閉できていたかも疑問。

次回、Music Player Daemon (MPD)を稼動させるまでの Raspberry Pi の設定を紹介したい。
関連記事 > 「Raspberry Pi で格安ミュージックサーバを作る~その2~

※追記: Raspberry Pi Model B+ (Plus) が出ましたね。

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2013年12月5日

foobar2000 で NHK ネットラジオを聴く

本題の前に、自分の環境などの説明をする。

以前、iTunes を使っていたのだが、仕事で常用する CAD アプリケーション “Vectorworks” と非常に相性が悪かった。理由は、Vectorworks が 特定のバージョンの Quicktime を画像処理に使用するからで、iTunes を使っている時にアップデートのダイアログをつい OK してしまうと QuickTime のバージョンが新しくなり、Vectorworks が QuickTime をサポートできなくなってしまうからである。しかし、iTunes 10.5(2011年頃)から QuickTime が付属しなくなったことを昨年知り、Vectorworks と同居できるようになった。

そこで、今年初め久しぶりに iTunes をインストールしたのだが、昔使っていたバージョンが古すぎるのかデータベースの移行がうまくいかず、プレイリストやお気に入りの”★”の数、再生回数などのデータは無くなってしまってとても残念に思うと当時に、いろいろと余計な Apple のソフトがインストールされるのがとてもイヤだったことを思い出したりして、これを目処に iTunes を使うことを止め、今夏から月額 980円の音楽ストリーミング配信サービス Music Unlimited を使ってみることにした。

Music Unlimited は自分の知らない曲を聴くことができることは魅力なのだが、仕事をしながらプレイリストを作るのはとても面倒だし、所有している CD をストリーミングで聴くことも多く、それもどうかと思い 4ヶ月程でやめた。で、過去に iTunes で取り込んだ音楽データを利用できる他のソフトを探してみたところ、動作が軽くてデフォルトの UI がシンプルな foobar2000 を使ってみることにした。

foobar2000 の使い方は「一から始めるfoobar2000 – foobar2000 Wiki」を参考にした。

foobar2000 は必要に応じて機能や UI を拡張できるように設計されている。魅力的なアプリケーションでオーディオ関連の情報も多いので、使い始めてしばらくすると、PC 廻りの音楽リスニング環境を整えたくなった。それまで実は 2000円くらいで買ったアンプ内臓の PC 用のスピーカーを使っていたのだ。調べてみると、世は PC オーディオ・ブーム到来とのことで、多くの製品が発売されており、USB-DAC という機材が PC で音楽を聴くには重要であるということを知った。

ただフルサイズのコンポを買う気はなかったので、USB-DAC 内臓の小型プリメインアンプを探した。主要オーディオメーカーの中では安くて評判の良い TEAC A-H01 を購入した。スピーカーは、FOSTEX の 10cm フルレンジユニット FF105WK を購入し、エンクロージャは図書館で長岡鉄男のスピーカー工作の本を何冊か借りてきて、事務所の本棚にぴったりの寸法のブックシェルフ型を探し、物置にあるベニヤ板の端材で「BS-84」を自作した。機材関係のことは、また次の記事で紹介したいと思う。

ここでようやく本題のネットラジオの話をする。

foobar2000 ではネットラジオが聴ける。一般的な方法は下記を参照した。

魅力的なインターネットラジオ局 | PCオーディオ実験室

NHK ネットラジオはブラウザ上の「らじる★らじる」で聴いていたが、foobar2000 で聴けるといいなぁと思い、上記の方法を試してみることにした。

まず、NHKネットラジオのストリーミング URL を調べた。下記を参照した。

仙台・名古屋・東京・大阪のらじる★らじるをiPhoneで聞く – 別館 子子子子子子(ねこのここねこ)

しかし、NHK-FM 東京放送を聴くために、下記を記述した m3u ファイルを作成し、foobar2000 から読み込んでも音が出ない。

http://mfile.akamai.com/129933/live/reflector:46051.asx

そこで更に調べて次の情報を得た。

MPDとNHK らじるらじる : ささやき

上記のアカマイの URL にブラウザでアクセスし、ダウンロードした asx ファイルをエディターで開くと次のように記述されている。

<ASX VERSION="3.0">
 <ENTRY>
  <REF HREF="mms://a52.l12993346051.c129933.g.lm.akamaistream.net/D/52/129933/v0001/reflector:46051" />
 </ENTRY>
</ASX>

上記の “mms://a52.l1299~” の部分を m3u ファイルに記述し、foobar2000 から開くと NHK-FM 東京放送を聴くことができた。NHK-R1 ラジオ第1放送、NHK-R2 ラジオ第2放送も同様の方法でリスニングが可能になる。

ここで更に J-Wave など Radiko で配信されている民法放送は foobar2000 で聴けないか?という疑問がわく。しかしいくら調べても Radiko の配信 URL はわからない。録音アプリはいろいろあるのだが・・・・・。

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カテゴリー:コンピュータ, 音楽 |  コメント (9) |  投稿者:hyodo

2013年12月の記事