『建築』 の記事

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2010年5月6日

香取市アパート・リノベーション(工事中の様子)

ゴールデン・ウィーク中に、以前記事にした香取市のアパート・リノベーションの現場を見に行きました。間仕切り壁の下地、枠、クローゼット取付まで進行しています。ベニヤで養生していますので写真では見えませんが、フローリング張りも終了しています。

この日は、大工さんと細かな枠の納まりの確認、建具屋さんと室内ドア、引戸のデザインの指示、工事会社とスケジュールの打合せをしました。

工事中のリビング・ダイニング
工事中のリビング・ダイニング:天井、壁は、間仕切りやコンセントなどの設備を移設し、穴を塞いだところなので、つぎはぎになっています。この穴を塞ぐ作業は、新しい仕上げの下地になるので、精度が求められます。新しく石膏ボードを張る作業よりも大変な作業となることもあります。

工事中の個室
工事中の個室:大きなクローゼットが完成しています。仕上げが楽しみです。

クローゼットの固定
クローゼットの固定:壁とクローゼットの間に突っ張り棒を入れて固定しています。脇に建具が付くので、精度が求められます。

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カテゴリー:建築 |  コメント (3) |  投稿者:hyodo

2010年4月17日

「Vectorworksを使いやすくする」をスタートアップしました

Vectorworksを使いやすくする
当ブログ管理者hyodoが代表を務める兵藤善紀建築設計事務所は、本日より汎用CADソフト “Vectorworks” を使いやすくする便利なプラグインや、Tipsを紹介するウェブサイト「Vectorworksを使いやすくする」をスタートアップしました。

第一弾として、「斜め作図支援」プラグインのベータバージョンを配布致します。

本プラグインは、6つのプラグインをまとめたもので、斜め線の描画や斜め方向の移動、頂点移動(グループ図形も解除せずに頂点移動可能)が簡単に行うことができます。また入力した数値の過去6回分のヒストリーを保存し再利用が可能です。AutoCAD の UCS コマンド(軸回転)や、JWW の「角度取得」コマンドと「軸角」を使うようなイメージです。機能の詳細は、「斜め作図支援」をご覧ください。また、Q&Aページができるまで、このエントリーを質問受け付けページとしたいと思います。よろしくお願いします。

Vectorworksは、大変使いやすいCADです。しかし、平面の通り芯が傾いていたり、外壁が道路斜線に沿っていたりすると、とたんに作図に手間が掛かります。勾配屋根の棟や軒先の詳細図なども斜めの線を描くことが多く、これまた面倒なものです。Vectorworks 2008より上位バージョンでは2D平面回転機能が実装されていますが、Vectorworks 2010にも基本バージョンでは2D平面回転機能が無いために、未だに多くの設計者が斜めの作図に苦労を強いられていることと思います。

斜めの線を描く必要のある図面は、建築全体の納まりを検討する上で、最重要な部分であることが多く、作図を避けることができないばかりか、設計の初期段階で複数の案を検討する必要があったりします。更に、通り芯の振れ方がビミョーな場合、手描きのスケッチでは、「本当に納まっているのか?」(と思うときは大抵納まっていないが、スケッチはなぜか納まっている)判断が難しいときがあり、正確な図面での検討が必須です。

そんなとき、斜め線の作図に弱いVectorworksは無駄に辛いのです。

僕は長年、この問題をどうにかしたいな!と強く思ってきました。修行時代もそうでしたが、独立してからは、更にこの問題を避けて通ることが難しくなり、 VectorScriptのコーディングに着手し、「斜め作図支援」プラグインを開発するに至りました。

このプラグインを使って、斜め線の多い図面を早く作図できた分、多くの検討とアイデアを積み重ねて、社会性のある多くの人に愛される建築(それだけが建築ではないが・・・まぁ一般的に)を設計していただければと思います。

本プラグインはベータバージョンです。今年の6月30日まで機能制限無しでご利用いただけます。それまでに正式版(シェアウェア 2000円程度)をリリースします。もし、リリースできなかった場合は、使用期間を延長したベータバージョンを再配布します。

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カテゴリー:コンピュータ, 建築 |  コメント (1) |  投稿者:hyodo

2010年4月16日

アパート・リノベーションの新プラン

現在進行しております千葉県香取市でアパートのリノベーション(リフォーム)の新プランが決まりました。先日解体作業中に新たにわかった構造や既存設備を有効利用しながら、オーナーさん、不動産管理・工事を行うしゅはりと話し合い、アイデアを出し合い、プランが決まりました。

まず、元のプラン(Before)から

元のプラン
元のプランは和室のある2DKでした。部屋が細切れなので、最近のニーズには合わなくなってきていました。又、キッチン、冷蔵庫、洗濯機置場の関係がちょっと使い辛いところがあり、収納も少なく、洗面台は浴室内にあるタイプでした。

次に、新プラン(After)です
新プラン
新プランでは、リビング・ダイニングを広めにとり、寝室は一室にしました。リビングは、150cm×80cmのダイニング・テーブルと、2~3人掛けのソファーとコーヒーテーブル、AVラック等を置く十分なスペースがあります。寝室には幅3mのオープン・クローゼットと、パソコンが置けるネットコーナーを設けることにしました。キッチンはクローズドにして、カップボードを置くスペースや家事動線を考慮しました。構造体をよけた場所に洗面コーナーを新設し、玄関との境の壁にはブレースを避けて花器等を飾る小さなニッチを作ったり等、ここで生活する方が快適に生活できるだけでなく、楽しく感じられるようなちょっとした工夫もあります。

このようなリノベーション案に理解を下さったオーナーさんやしゅはりの皆さんには、本当に感謝しています。5月に完成予定です。

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2010年4月8日

香取市でアパート・リノベーションの現場が始まりました。

今、千葉県香取市でアパートのリノベーション(リフォーム)の設計監理をしています。今週、現場の解体が終わるので、解体が終わる直前の様子を見てきました。

(住宅の設計は個人に関する情報を多く扱うため、ブログ記事にすることはこれまであまりしてきませんでしたが、今回は、賃貸ということと、管理する不動産会社から「記事にして欲しい」との要望もあり、投稿することにしました)

まずは、解体前の様子から。
アパート外観
築20年程のアパートですが、オーナーさんが手を入れているので状態は良好。

改装前:アパートのダイニングから和室、リビングを見る。
改装前:アパートのダイニングから和室、リビングを見る。壁紙の傷みはありますが、写真で見る限りかなりキレイです。

改装前:アパートのキッチン
改装前:今回、キッチンも入れ替えるので、現在の様子を記録します。

改装前:アパートの水回り
改装前:玄関と水回りの様子です。突き当たりは浴室で洗面器が付いている2点式です。玄関の壁の向こうはトイレ。浴室は清掃し、洗面台を新たに設置、トイレ床と壁紙を張り替えします。

解体後:キッチンからリビング・ダイニングを見る
解体後:キッチンのあった位置からリビング・ダイニング方向を見たところです。軽やかな鉄骨の柱やブレースが現れたのですが、その感じがケース・スタディ・ハウスや50年代の北欧住宅のようです…サッシの付き方は違いますが。。。

解体後:リビングからキッチン(左)と寝室(右)を見る
解体後:リビングからキッチン(左)と寝室(右)を見たところです。まだ解体の途中なのにもかかわらず、工務店の方がキレイに掃除をしてくれていたので、非常に空間が把握しやすかったです。

解体後:寝室からリビングを見る
解体後:寝室からリビングを見たところです。寝室とリビングの間にはクローゼットが置かれる予定です。それにしてもこの解体現場、まるでモダン住宅のようで良い雰囲気だと思いませんか?

解体後:キッチン
解体後:取り外されたキッチンです。キッチンは90度向きを変えて設置する予定です。

解体後:キッチン上の配管
解体後:キッチン上の天井の配管と鉄骨梁の様子です。アパートなのでマンションのように設備が一戸の中で完結していません。上階の部屋の設備が下りてきています。鉄骨造の建物なので、結露による錆や部材の傷みなどを心配していたのですが、非常に良い状態だったので安心しました。

解体後:玄関から入った正面の壁のブレース
解体後:玄関から入った正面の壁のブレースの様子です。このブレースが無ければもっと自由にプランニングできたのですが、構造体なので仕方ありません。むしろこれを上手く使うことを考えています。鉄骨は工場組みなので、精度が高く施工されていました。

以上、現場報告です。現場を見て非常に楽しみになってきました。なんだか良い雰囲気のアパートなのです。プランは調節中のなので、決定次第ご報告したいと思います。

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2009年10月15日

pen 11月1日号に「牛堀の古民家・土蔵リノベーション」が掲載されています

牛堀の古民家リノベーション立面
本日発売の pen 11月1日号 (阪急コミュニケーションズ) の特集「リノベーションで、理想の家づくり」にて当ブログ管理人 hyodo が主宰する兵藤善紀建築設計事務所が設計・監理を行った「牛堀の古民家リノベーション」、「牛堀の土蔵リノベーション」が掲載されています。掲載ページは 54~55p です。書店にお立ち寄りの際には是非ご覧くださいませ。

また兵藤事務所のウェブにはリノベーションの過程をご紹介しておりますので、こちらもご覧ください。どうぞよろしくお願いいたします。
» 兵藤善紀建築設計事務所

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2009年7月4日

ソヴィエト・スタイルの建築

国立クレムリン宮殿
今回は、フルシチョフ体制下で建設された経済性・機能性、非装飾性を美徳としたソヴィエト・スタイルの建築を紹介します。上の写真は、「国立クレムリン宮殿(通称:大会宮殿)」です。クレムリン宮殿内の建築物群の中でこの建物だけが唯一ソヴィエト・スタイルであったために、クレムリン宮殿全体でのユネスコ世界遺産の指定を外されてしまったそうです。ウスペンスキー聖堂などは、個別にユネスコ世界遺産に登録されています。

ロシア連邦政府ビル
この建物は『ロシア建築案内』によると、1970年代に建てられたようなので、フルシチョフ時代ではなく、ブレジネフ時代の建築です。通称、「ホワイトハウス」と呼ばれているロシア連邦政府ビルです。ちょっとクラシカルで権威主義的な雰囲気があります。

モスクワ市役所(旧コメコン本部)
モスクワ市役所(旧コメコン本部)です。『ロシア建築案内』によると、開いた本のようなフォルムは、コメコンが平和的・建設的な組織であることを象徴している、そうです。なんとなくなのですが、コルビュジエの高層ビル計画案を思い出してしまいました。

ホテル「ロシア」
ホテル「ロシア」は、ヨーロッパ最大と言われた3,070室のホテルで、共産党大会に集まる全国の代議士のために建てられたそうです。赤の広場まで5分ほどの場所で、立地が良く宿泊料も安かったのでモスクワ滞在中はここに泊っていました(と言ってもツインで140US$位した。2004年当時、ロシアは旅行者の泊まれるホテルが限られており大変高額で、140US$程度で泊まれるホテルは非常に安いのです)。東西南北4区域に分かれて営業しているようで、一番ショボイ北棟からチェック・インしてしまい失敗でした。しかし既にこのホテルは無く、ウィキペディアによると、2006年1月1日に営業停止、ノーマン・フォスター設計の新ホテルを建設中だとか。

新アルバート通りの集合住宅群
ソヴィエト・スタイルは、スターリン死後に書記長となったフルシチョフが、華美なスターリン・アンピール様式を否定し、一般市民の居住環境を改善するために経済効率の高いローコスト住居を大量供給を目指した政策で生まれた様式でした。その頃の一般市民は数世帯が一戸に共同入居していたほど住環境は劣悪だったようです。この集合住宅群はモスクワの新アルバートにあり、人間を拒絶するような彫刻的な美しさがあります。日本もそうですが、住環境を良くするために計画された集合住宅(いわゆる団地)が、ヒューマニティーに欠けているように見えてしまうことが多いのは、なんとも皮肉なものです。

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2009年6月28日

ロシア統計委員会(ツェントロソユーズ)

ロシア統計委員会(ツェントロソユーズ)
上野の国立西洋美術館がユネスコ世界遺産の選考に落選したので、今回はコルビュジエでいきます。ル・コルビュジエがソ連邦に計画、唯一実現した建築がモスクワにあります。写真はミャスニーツカヤ通りのファサードで、厳密に対称形になっています。そういった意味ではクラシカルな建築ということもできます。コルビジュエはこの計画の後、ソヴィエト宮(実現せず)の計画にグロピウス、メンテルゾーンとともに参加を要請されています。この計画は対称軸にしたがって配された建築群の形態が有機的なものに変化しています。『ル・コルビュジエの生涯』によると、「セントロソユースの計画の説明のために何度もモスクワに言ったが、構成主義建築の発展が明らかに彼に影響を与えている。そのほかに、それより少し前、マルクス主義の進歩主義的批評家たちが彼のことを形式的伝統主義者だと非難していた。」とあり、更に「多分彼は、当時のロシアのすぐれた計画を念入りに研究したのである」とあります。なかなか興味深い文章です。ソヴィエト宮の模型がニューヨーク近代美術館あるようなので、ちょっと見てみたくなりました。

ロシア統計委員会(ツェントロソユーズ)
上の写真はカーテンウォールをもう少しアップで写したものです。どうやらカーテンウォールはダブルスキンになっているようです。空調計画はどうなっているのでしょうか?

『ロシア建築案内』によると、「壁面はガラスのカーテンウォールとなっていたが、その案にはロシアの厳しい冬は考慮されていなかったため、ガラスの大部分がフレーム部分のみに使われる予定だったバイオレット・ピンクの凝灰岩に変更されている」、とありますが、ずいぶん大きなガラス面に感じられます。

『ル・コルビュジエの生涯』によると、「このような大きなガラス面は、ル・コルビュジエにとって初めてであった。」と書かれています。

この建築は見学当時ちょっと勉強不足で、メインのファサードはサハロフ博士大通り側であり、ミャスニーツカヤ通り側ではないことは後で知り、そちらの面は見ていないので本当に残念です。この建築の当初の計画では、コルビュジエの近代建築の五原則のひとつピロティで建物全体が持ち上がっていて、向こうの通りに抜けられるはずだったそうです。計画された1928年当時はロシア・アヴァンギャルド黄金期でしたが、既にレーニンは24年死去していて、竣工時期はスターリンの「スタイルと趣向の圧政」によってネオ・クラシック様式に移行し始めていました。

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