2013年11月11日
「山手のマンション・リノベーション」が完成しました
今春より兵藤善紀建築設計事務所が計画を進めてまいりました「山手のマンション・リノベーション」が完成しました。
この仕事は、若い夫婦よりご依頼いただきました。横浜のこの環境を気に入ったご夫婦が購入した比較的新しい中古マンションをユニット・バスを除き全面リノベーションしました。
玄関の代わりの土間です。元のプランでは、玄関ドアを開けるといきなり壁でした。それが息苦しかったので、既存の壁を壊して土間のように使えるスペースにしました。自転車が置けたりするインナーバルコニーのようなちょっと贅沢な空間です。左の和障子で隣の主寝室と仕切ることにより、マンションの欠点である共用廊下と住戸内の居室の近すぎる距離を確保し、プライバシーを高めることにも役立っています。
廊下です。マンションの廊下は、ただ歩かされるためだけの空間であることが多いので、寝室の境をガラスの建具(右側)にすることによって視線が通るようにし、木製建具(左側)によって隣室の空間を感じられるようにして、心理的な狭さや暗さを和らげています。
リビングからバルコニーを見たところです。窓には木製ブラインドを下げています。右のグレーの壁は、改装前のビニルクロスを剥がした際に現れたモルタル壁で、程よくきれいでラフなので塗装せず見せてみることにしました。
リビングのカウンター棚は、機能別に奥行きを変化させています。左の扉付きの部分は食器棚(奥行 300mm)、中央は AVラック(奥行 400mm)、右は書斎スペース(奥行 500mm)です。
低天井は、換気設備スペースなのですが、改装前からどうも違和感があったので、もう少し必然性が感じられるように間接照明にも使っています。
リビングから廊下を見たところです。右側の開口はキッチンの入口です。中央は廊下で、左側は書斎スペースです。書斎スペースから主寝室へ行く動線を新たに設けることによって、回遊性が生まれました。
仕上げはキッチンと土間の床のがタイル張りです。フローリングはナラのパーケット材で、お施主さんとDIY塗装しました。壁は塗装で、白に微妙に茶が入っています。
主寝室です。右側のガラス建具の向こうは廊下です。棚はベッドのヘッドボードになります。左側の和障子は、土間を仕切り共用廊下からのプライバシーを確保しています。床はサイザル麻です。
ヒノキの洗面台です。お施主さんの強い希望で作り直したのですが、大きく印象が変わりましたので作り直して正解でした。メディシン・ボックスは既存のものです。
改装前の写真です。
左上:玄関、 中上:廊下、 右上:洗面室
左下:リビングから廊下を見る、右下:主寝室
カテゴリー:建築 | コメント (0) | 投稿者:hyodo
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