2004年11月24日
シフォンケーキ茶道編
実は私、茶の心得がある。日曜日に行った淡交会のお茶会では、正客を務めた方に、今度私の茶室に遊びに来るようお誘いを受けたくらいある(茶名を持つ友人N氏と一緒にいたので、オマケで誘われただけ)。本当は、今月からお茶の稽古に通い始めた、極超初心者である。
先日のお稽古で、シフォンケーキの技術がお茶を立てる際に役に立った。茶筌でお茶を立てることはメレンゲの泡立てに似ている。お辞儀の仕方を何度もやり直しさせられていた私だが、今回は先生に褒められた。
「hyodoさん、初めての割りはお茶筌の扱いがお上手ですよ」
「先生、私、シフォン道を修めておりますので」
「?」と先生。
N夫人がフォローしてくれる。
「先生、hyodoさんに先日シフォンケーキをいただきましたんですのよ」
他の生徒さんたちが、
「あ、メレンゲを手で泡立てるの大変ですよね。なるほど」と納得。
褒められていい気になった私は、茶会には絶対にシフォンを出そう、趣向はこうしようと、妄想を巡らせていた。
床の軸には「メレンゲ一日不成」の墨跡。(誰の筆かは不明。ただしhyodo極書付)軸は麺捧。お花はレモンシフォンなのでレモンの花。花器はシフォン型。水が少しずつ漏れるが、その下の板(名前がわからないほど初心者なのでお許しを)が適度に濡れて良い。お菓子のシフォンはホールのまま出す。正客はそこに円相を見いだし、私が只者でないことに気が付くに違いない。
そして、おそらくお茶の後には、次のような会話が交わされるであろう。
「あの大変すばらしいお軸はどのような意味ですのかしら?メレンゲを私存じ上げませんもので・・・」
「メレンゲとは宇宙のことです。万物斉同です。それは広大で深遠な世界で、泡宇宙論でさえ説明できない、人智を超えた仏の世界です。(シフォンケーキ宇宙編参照)」
「先刻いただいたお菓子は?」
「自家製のレモンシフォンでございます」
そこで正客は床にあった花器がシフォン型であったことに気が付く。
「おシフォン型は?」
「全アルミ製径17センチでございます」
「大変由緒のあるものとご推察しますが?」
「この度祖母より継いだアメリカ製なのでございます。シフォンの祖ハリー・ベーカーが使っていたものが代々我が家に受け継がれきたのです」
「お茶入はずいぶんと大きなものでございますね」
「はい、これは元々国産スーパーバイオレットの入物でした」
「おゴムへらは?」
「シリコン製でございます」(なぜゴムへらが出てくるかは不明)
「ご銘は?」
「淡(泡)雪でございます」(外は雪が降っている)
「大変結構なお品を拝見させていただきありがとうございました」
「大変おいしゅうございました」
「本日はお越しいただきましてありがとうございました」
と、こんな感じである。是非大勢の方をお招きしたい!
(今回で自転車シリーズはおしまい。次回新シリーズをご期待ください)
カテゴリー:シフォンケーキ | コメント (7) | 投稿者:hyodo
コメント
Mr.N
こんなことを妄想しているとは思いもよらなかった。^ ^)
是非、シフォンの会やりましょう。
ただ、抹茶のお菓子にしては少々甘さが足りない気がするね。
思い切って、八丁味噌にグラニュー糖をたっぷり混ぜ、”松風”風シフォンにしては?結構おいしいと思うけど。
抹茶も、アイスで薄めに点てたら良いかも。
(オンザロックで。これも結構イケます。)
Hyodo家伝来の、ご自慢のカップで飲むかな?
まあ、その前に、アフタヌーン・ティー パーティーでもやりますか。おいしい紅茶を入れて、「つきぢ なかむら」にてお待ちしますよ!
ちなみに、最近僕はコーヒーに凝ってます。
といっても、豆に凝っているわけではなく、入れ方。
先日、スターバックスのコーヒースペシャリスト(?)とか言う人のコーヒー講座を受講、今はコーヒープレスで毎日楽しんでます。
2004年11月24日 @ 1:07 PM
猫
ふふふ、おもしろいよ、コレ。
兵藤さんの妄想見たり!
メリケンは一日にしてならず。
叶姉妹もまっ青おですな・・・・この格言。
結構なものを、拝読させていただきました。
2004年11月24日 @ 1:11 PM
hyodo
onumaさん、「茶の本」持ってますが未読です。お恥ずかしい次第です。6日までには読んでおきますね。
Mr.Nさん、N氏ご本人登場ですね。さすが、アイス抹茶とはonumaさんのおっしゃっている「カジュアルな喫茶」までたしなまれているとは!。更にコーヒーもですか?今度教えてください。
では、あの方の茶室訪問は12月2週目ということで・・・。
猫さん、おありがとうございます。私の妄想はこんなものではないですぞ。ご注意申し上げます。
しかし、みんな、なんだなんだ!プロフィールに本名載っているからって、僕の本名載せないこと(笑)。N氏、onumaさんもメールアドレスを入力するとスパムメールの嵐がくるかもしれせんよ!入力しなくてもOKなので気をつけてくださいね。
ところでonumaさんケータイ番号教えてね(ブログナンパ・笑)
2004年11月25日 @ 12:14 AM
Piri
(@⌒ο⌒@)b 確かに…あのメレンゲを機械の力を借りずにしっかりと泡立ててらっしゃる hyodoさん♪
お抹茶の泡がさぞキメ細かく立ったことでしょうねww
手首のスナップが強そうです♪ww
そのお茶席におじゃましたーぃ!!
レモンシフォン (⌒¬⌒*)んまそ・・・♪w
ホールで出されて、正客さんがすべてペロリっ!と食べてしまわれたらどーしますか? o(*^▽^*)oあはっ♪
2004年11月25日 @ 11:22 PM
トラックバックありがとうございました。
シフォンケーキを毎日のように作っている私にとって
「シフォンケーキ茶道」とっても面白かったです。
お道具の説明シーンなど、その場にいて聞いていたら
楽しそう!
実は私の友人が「コーヒー点前」の本を書いていて
近日発売するんですよ。私がそのお点前のはんとうを
したことがあるのですが、なかなか面白いんです。
伝統的な作法を違った視点でアレンジしていくと
また新たな文化が生まれるんだな~と実感している
今日この頃です。
2004年11月28日 @ 7:09 AM
hyodo
Piriさん、ホールを人数分用意しますよ!(たぶん)
カヲリの木さん、コメントありがとうございます。横浜へ行く用事が出来ましたら、ランチに伺いますね。
2004年11月28日 @ 10:31 PM
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yasuko onuma
今回のシフォンケーキは茶道とリンク!
日本の茶室は世界が誇れるすばらしい空間ですよね。
岡倉覚三が「茶の本」の中で(高校時代・美術史の教材として
読んだ)「茶室は簡素にして俗を離れているから真に外界の
わずらわしさを遠ざかった聖堂である」と述べているように
その場所に居るだけで精神が研ぎ澄まされるよう。自分は
本格的に茶道というものを習ったりはしていませんが
茶室をカジュアルにしたようなテーマの今日的喫茶は好きです。
(特に京都)
インテリア&建築系の兵藤さんは仕事上でも欠かせない伝統文化
なんだろうね。茶に加えて華も書もあり、そして古典芸能の舞(能)へと続く日本文化の静寂と祈りのあるところはとても
癒されますよね。やっぱり自分は日本人というルーツもあるし、
宗教ほど信仰心に頼らず自分を見つめられる空間で
老子のように「無」になれる場所というイメージがある。
(茶の本にも老子の思想が出てきます)
でもそこで何を思考するかは人それぞれだけど。。。
(兵藤さんはメレンゲなお茶会の妄想を見たり(笑))
「空想お茶会」アリスのティーパーティー日本版って感じかな?
何をしていても航空宇宙学に行き着くあたりが兵藤さんだよね(笑)
2004年11月24日 @ 2:10 AM