2009年6月17日

「おすすめ商品」機能をかわす

Amazonには、次のような便利な機能がある。

・この商品を買った人はこんな商品も買っています
・おすすめ商品

言わずとしれた機能だが簡単に説明すると、顧客一人一人のこれまでの購入履歴と「欲しいものリスト」に登録しておいた商品に関して、Amazonがその商品と他の商品の連関を統計的に分析し、その商品と売上げ上強い連関のある商品を抽出し顧客に提示することによって、新たな消費を顧客に呼び起こすという機能である。顧客にとっては興味が広がり、Amazonにとっては売上が伸びるという、良くできた機能である。

このようなシステムをレッシグは「アーキテクチャ」、東浩紀は「環境管理型権力」と呼び、人の行為を制約する力とみなし、鈴木謙介は「偏在するわたし」があらゆるところで立ち現れ宿命的な選択を迫られる、と言っている。その他さまざまなネット社会分析の書籍でも、大方「モニタリングされているのはちょっと怖いけど、便利だからどうしようもない」という少し批判しながらも対抗手段はないので、今は傍観するしかないというような意見が大勢である。

そこで、僕はささやかな反抗を試みている。

「おすすめ商品」は図書館で借りる、のである

残念ながら借りられるものは書籍と一部のCD、DVDに限られてしまうが、少なくとも僕の場合、これでAmazonでの購入金額は半分は減った。そんなわけで、僕はせっせとAmazonに欲しいものリストを登録し、「おすすめ商品」をたくさん紹介してもらい、図書館でネット検索&予約している。

しかし、アーキテクチャから逃れているわけではないので、反抗というよりはちょっとかわす程度のことですが・・・・・・。



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カテゴリー:コンピュータ |  コメント (2) |  投稿者:hyodo

コメント

 友人曰く、未知の良書を紹介してくれるAmazonは便利なので、所有書籍リストを育てるべきとのこと。
 私はAmazonのお勧めをAmazonで購入せずに書店で現物を確認してから入手することが多く、後でAmazonに登録するのが面倒です。
 一括登録したり、現状の登録情報を確認用にファイルとしてダウンロードするような機能はないものですかね?

2009年6月17日 @ 8:13 PM


hyodo

おりひかさん、こんにちは。Amazonの「おすすめ商品」は便利で面白いですよね。現物を書店で見てから買うことは賢明なご判断だと思います。ただ、未知というのは、顧客の内面に対してであって、マス(統計)では既に答えが出ているところが微妙なのです。Amazon神(というより磯崎新のいうところの「デミウルゴス」に近いのかな)の作った「おすすめ商品」の線路の上を歩かされているに過ぎないと言えますし、「おすすめ商品」によって、世界が開けてくるような感覚も、宮台真司などのいう「島宇宙化」という極めて狭い世界なのかもしれません。アーキテクチャに取り込まれている人間には自分の立ち位置が見えないし、その他の選択肢に気がつくことができないということが問題なのだと思います。おっしゃるようにCSVファイルなどでAmazonにリストをアップロードできれば、アーキテクチャを撹乱するのに役立つかもしれませんね(笑)。

2009年6月17日 @ 10:10 PM

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