2005年10月27日
「そうです、ナタリー」 谷間の百合 -その3ー
「谷間の百合」を読んだときに最初に思う疑問は、
「人妻だからって自分の貞操を守り続けながら若い男に永遠の愛を誓わすことができるだろうか?」
「プラトニックな関係を強要したのはアンリエットなのに、フェリックスがアラベルの誘惑に負けて浮気をしたからって、それを責めて、ハンガーストライキを起こして死んだりするだろうか?」
ということであろう。まあ、どうやらこれは女の論理のようである。男には大変わかり辛い。
しかし、次の論理は女性にわかり辛いかもしれない。男が浮気をしてしまうのは、社会的要請である、むしろマナーなのだとフェリックスは言っている。男性諸君!次の台詞を丸暗記し、来るべき修羅の日に備えておくべし(笑)
「あなたがた女性が男の追求をのがれようとする場合にくらべると、われわれ男が女性の誘惑をしりぞけようとする場合の方が、許された手だてがずっと少ないという事実です」
「世の風習から、私たち男には女性の誘いをむげにはねつけることが禁じられています」
(第3章 新潮文庫版 297p)
事実とか風習とかいう言葉を使うことにより、浮気はプライベートな現象ではなく社会・文化現象であると言って、大局的な問題にすり替え罪を薄めているのでしょうか?
また、生物学的性質であるとも言っています。これも男性諸君はそらんじておきましょう。
「自然の力をごまかしつづけるわけにはいきません」
(第3章 新潮文庫版 326p)
その1でも取り上げましたが、
「ただ砂漠のなかでのどが乾いただけなのです」
(第3章 新潮文庫版 326p)
自分の浮気の原因は、ホモ・サピエンスという種のDNAに組み込まれた性質や仕組みであって、個人の意識で制御できるようなものではない。だから、しょうがないよね、と言うのである。フェリックス君は大変賢い。スゴイ理論を考え出してくれました。まあ、女性には通じない理論かもしれませんが・・・・むしろ女性を怒らせるだけのような気もします(笑)
次回こそ、ダドレー夫人の性格を分析してみたいと思います。
関連記事
「そうです、ナタリー」 谷間の百合 その1
「そうです、ナタリー」 谷間の百合 その2
「そうです、ナタリー」 谷間の百合 その4
今日の写真 ~カラフル その8~
京都駅のおみやげ売り場で見かけたアメ玉?です。月初めに京都へ行ってきたのです。当初は東山に宿を取り、周辺散策のみをするつもりでしたが、御苑の宮内庁事務所に行ったところ、桂・修学院離宮の見学に空きがあり、参観!ラッキーでした。
カテゴリー:本 | コメント (3) | 投稿者:hyodo
コメント
(ぴ)さん、こんばんは!
僕もそのように見えましたか(笑)
そういうつもりで書いてる訳ではないのですが、
「谷間の百合」はそういうことを考えさせてしまう
小説なのでした。
先日、大塚さんの個展のパーティーで、
お知り合いの方にお会いしましたよ!
2005年10月29日 @ 10:31 PM
コメントの投稿
トラックバック
トラックバック URI» https://www.hyodo-arch.com/buryoshaki/archives/115/trackback
(ぴ)
プラトニックなままで永遠の愛を誓う・・・
より愛が深そうだからこそ、罪も重くなるような。
私は、浮気心(浮気願望)を秘めた男性はカワイイと思います。
でも実際に浮気されたらやっぱりヤだな(苦笑)
アメ玉かわいい!
2005年10月28日 @ 9:47 AM