オフセット基点移動
オフセット基点移動とは?
選択図形からオフセットした基点に移動、複製、回転移動、頂点移動、参照移動を行う Ver.2008 以降に実装された「ポイント間複製」の機能をより拡張した VectorScript プラグインです。
主な特徴
下記に、純正「ポイント間複製」には無い機能をピックアップします。
- 図形からオフセットした基点に頂点移動できます。
- グループ化された図形もそのまま頂点移動できます。
- オブジェクトタイプが四角形の図形は、多角形に変換されずに頂点移動することができます。
- 図形からオフセットした基点に数値入力による回転移動ができます。
- 図形からオフセットした基点4点をクリックすることによる回転移動ができます。
- 参照移動では、2点間の直線距離だけでなく、X方向・Y方向の要素を別々に指定できます。
- オフセット基点移動・複製は、「ポイント間複製」と同機能ですが、別々のツールとなっているので、モードバーを切り替える煩わしさがありません。
各プラグイン・ツールの概要
- オフセット移動
- 図形からオフセットされた基準点を起点として移動することができます。
- オフセット複製
- 図形からオフセットされた基準点を起点とし連続して複製することができます。ESCキーを押すと起点を変更することができます。他のツールを選択すれば終了します。
- オフセット回転移動ツール
- 図形からオフセットされた基準点を起点として回転移動することができます。「ポイント間複製」には無い機能です。
- オフセット頂点移動ツール
- 図形からオフセットされた基準点を起点として頂点移動することができます。「ポイント間複製」には無い機能です。
- オフセット数値回転移動
- 図形からオフセットされた基点を中心に、回転角を数値入力して回転移動することができます。過去に使用した数値を再利用できるヒストリー機能も実装しています。
- オフセット参照移動
- オフセット基点の2点間を測定後、選択図形を移動するツールです。立面など、要素を感覚的に配置した後、キリの良い寸法に調整したい時など、非常に便利です。デザイナー必須の機能です。「ポイント間複製」には無いΔX、ΔYの数値を使うことができます。
- ダウンロードとインストール
- こちらからプラグインのダウンロードができます。インストールと設定方法についてもこちらをご覧ください。
- 「オフセット基点移動PRO」のライセンスの購入について
- 「オフセット基点移動PRO」は1ライセンス 525円(消費税込)です。お支払い方法や、ライセンスの詳細はこちらをご覧ください。
「オフセット基点移動」開発の経緯
Vectorworksは、大変使いやすいCADです。しかし、「なんでこんな機能がないの?」と思うことが時々(しばしば)あります。「オフセット基点移動」は平面図、立面図、矩計図、展開図・・・・・・ほとんど全ての図面で必須の機能ですが、2008以前は実装されていませんでした。
なんとなく、VectorScriptを勉強し始めてみると、「オフセット移動」は実に簡単にプログラミングできることがわかりました。おそらくVectorScriptを扱える人たちには、そんなこと当たり前だったのでしょう、話題にもなっていないようでした。「オフセット基点移動」はシェアウェアになりますが、「オフセット移動」のみソースを公開します。ちなみにソースは次のようなものです。
PROCEDURE OffsetMove; {オフセット移動}
VAR
ClickPT1,ClickPT2 :Vector; {起点、終点のクリック座標}
BEGIN
GetLine(ClickPT1.x,ClickPT1.y,ClickPT2.x,ClickPT2.y);
MoveObjs(ClickPT2.x-ClickPT1.x,ClickPT2.y-ClickPT1.y,FALSE,FALSE);
END;
RUN ( OffsetMove );
なんと驚くことに10行にも満たないコードで実現できます。正直ショックでした。こんな簡単にできることを今まで知らなかったとは・・・。これは2D用ですが、Z軸のパラメータを追加するだけで3Dにも対応できると思います。(3D はほとんどやったことがないので、勉強したいとは思っています)
ご興味のある方は、上記のソースをお試しください。大変申し訳ありませんが、上記ソースの使い方やVectorScriptに関する質問は受け付けられないので、どうかご了承ください。Vectorworksのヘルプファイルを読み込めば1日で理解できると思います(もちろんVectorScriptそのものは身につけるのにそれなりの時間は掛かります)。
このプラグインを使って、早く作図できた分、多くの検討とアイデアを積み重ねて、社会性のある多くの人に愛される建築(まぁもちろんそれだけが建築ではありませんが)を設計していただければと思います。